
バッハ・コレギウム・ジャパン、コンサートシリーズの幕開けはマタイ受難曲である。いろいろな事情で足を運べず、久々に聴くマタイ、エヴァンゲリストには吉田志門、イエスにはヨッヘン・クプファー、ソプラノにはハナ・ブラシコヴァ、安川みく、アルトにはマリアンネ・ベアーテ・キーラント、カウンターテノールの青木洋也、テノールには櫻田亮、バスには加耒徹を迎え、素晴らしい演奏となった。
鈴木雅明の指揮には重厚さが加わり、ずっしりした重みのある内容となった。チェロは山本徹、上村文乃となり、世代交代が感じられた。鈴木秀美が加わった時は深みある音色だった。山本・上村のチェロも響きにも重みが感じられた。
オーケストラも2部に分かれ、寺神戸亮、若松夏美が務めている。響きも充実した、落ち着いたものとなり、この傑作が深さ、豊かさを讃えていることを示していた。今回、エヴァンゲリストを務めた吉田の彫りの深い内容の充実した歌唱、アリアでの深さは見事だった。ブラシコヴァ、キーラントも彫りの深さを感じさせた。クプファーのイエスも充実した内容だった。安川・青木・櫻田・加耒の歌唱も充実した内容だった。鈴木優人・大塚直哉のオルガンも全体をしっかり支えていた。
来年のマタイ、鈴木優人で聴いてみたい。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでも見事な演奏を聴かせただけに、どんな成長ぶりを見せるだろうか。
コメントをお書きください