ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ニューイヤーコンサート 2023

 新年恒例、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューイヤーコンサート、2023。フランツ・ヴェルザー・メストが指揮台に立った。NHKは長年、ドイツ、オーストリアの放送局と共同で放送に当たっている。テレビ放送では、多彩なゲストを迎えている。ピアニスト 反田恭平、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽員、ベーデンボルク和樹をゲストに迎え、ヴィーンの特設スタジオから放送した。ちなみに、反田はヴィーンで指揮を学んでいる。

 ヴェルザー・メストは、シュトラウス一家ではヨーゼフの作品に焦点を当て、ヨーゼフの再評価を試みたこと、フランツ・フォン・スッペ、ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世、カール・ミヒャエル・ツィーラーの作品も取り上げ、19世紀後半のヴィーンのワルツ・ポルカ、オペレッタの歴史を概観するプログラムにした。これが大成功だった。

 ヴィーン国立歌劇場バレエ団のバレエは、ハプスブルク家の遺産、修道院の図書館を舞台に生かし、シュトラウスの音楽に彩を添えている。締めくくりは、ヨハン2世「美しき、青きドナウ」、ヨハン1世「ラデツキー行進曲」、ヴェルザー・メストが名演を聴かせた。

 2024年は、クリスティアン・ティーレマンが登場する。ドレースデン・シュターツカペレの任期は最後となる。ティーレマンの今後が注目されるため、楽しみである。