読売日本交響楽団、第241回、日曜マチネーシリーズはシベリウス、交響詩「フィンランディア」Op.26、交響曲第2番、Op.43、ベートーヴェン、ピアノ協奏曲、第1番、Op.15による重量感溢れるプログラムだった。(東京芸術劇場)
指揮は2019年、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した新進女性指揮者、沖澤のどか、ピアノはゲルハルト・オピッツと共にドイツを代表する大御所ピアニスト、ペーター・レーゼルであった。
ブザンソン国際指揮者コンクールと言えば、小澤征爾、佐渡豊、下野達也といった日本人指揮者が優勝している。女性指揮者としての優勝は一つの快挙だろう。レーゼルの来日も今回が最後となる。その意味でも聴き逃せないコンサートでもあった。
沖澤の指揮ぶりから、シベリウスの作品の本質をしっかり捉え、スケールの大きな音楽が伝わって来た。フィンランディアの重量感は聴き応え十分だった。交響曲第2番は、フィンランドの田園賛歌だった。第1楽章は、シベリウスがイタリアで着手したこともあってか、南国の明るさ・フィンランドの大地の匂いが溶け合っていた。第4楽章はまさに、フィンランドの田園賛歌が広がった。
レーゼルのベートーヴェンは、若きベート―ヴェンの覇気、ロマン性が調和していた。音色も素晴らしい。沖澤の指揮も位負けしていなかったし、オーケストラとの対話も十分であった。
新進女性指揮者が聴かせた素晴らしいシベリウス。最後の来日となったレーゼルの見事なピアノ。充実した一時を味わうことができた。13日、レーゼル最後の来日リサイタルもある。こちらも楽しみになった。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:48)
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:56)
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