ジェームズ・レヴァインの死に思う

 3月9日、アメリカを代表する指揮者、ジェームズ・レヴァインが77歳で亡くなった。レヴァインがアメリカの名門オペラ・ハウス、メトロポリタン歌劇場を追われた理由がセクハラだった。

 セクハラ、これはシャルル・デュトワ、プラシード・ドミンゴなどにも疑惑が上った。そのため、コンサートなどのキャンセルがあったりした。音楽の世界でもセクハラは許されない。それを象徴するかのような疑惑が少なくなかったことも一理あるだろう。

 音楽家にまつわる様々なエピソードにも、今でいえばセクハラではないかということも多々あったはずではないだろうか。それを単なる笑い話で済まそうとしても、今の世の中ては済まされなくなった。どの世界にも人権があることがはっきりした。権利意識が強くなったこともそれらを裏書きしている。

 音楽の世界、ことにクラシック音楽の世界でも人権意識が強くなったことは、本当の実力の世界を確立しようとすることにもつながるかもしれない。セクハラがらみで実力ある音楽家たちが台頭できなくなったとすれば、大問題だろう。そうした意味でもセクハラが問いかけることがあるはずだろう。

 レヴァインはメトロポリタン歌劇場と和解したとはいえ、パーキンソン病を患ったため、引退せざるを得なかった。残念だった。