バッハ・コレギウム・ジャパン メンデルスゾーン エリアス Op.70

 バッハ・コレギウム・ジャパン、2021年最初のコンサートはドイツ・ロマン主義宗教作品の傑作、メンデルスゾーン、オラトリオ「エリアス」Op.70で幕を開けた。(東京オペラシティコンサートホール)

 メンデルスゾーン晩年の傑作、この時、スウェーデンのソプラノ、イェニ―・リンドとの再婚を考えていたこともあってか、リンドを意識した音域もある。しかし、リンドはメンデルスゾーンの求婚を断った。これがメンデルスゾーンの早世に繋がったと見る向きがある。

 ソリストはソプラノ、中江早希、アルト、清水華澄、テノール、西村悟、バス、加耒徹をはじめ、何人かのソリストたちが加わった。清水・加耒は二期会、西村は藤原歌劇団である。加耒の堂々たる歌唱がイスラエルの預言者、エリアスに相応しいものだった。西村も素晴らしい歌唱で聴かせた。中江が第1部で黒、第2部で赤のドレスを着用して、作品の雰囲気に合わせていた上、歌唱も見事だった。清水もエリアスの命を狙う王妃イゼベルで見せた歌唱も素晴らしかった。

 最近、加耒の歌手としての成長ぶりが著しい。2019年、二期会、黛敏郎「金閣寺」の鶴川からマタイでのイエスをはじめ、ベートーヴェンなどで見事な歌を聴かせ、一級の歌手になりつつある。リサイタルもあるという。西村もリサイタルがある。バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートでは外国から歌手を招聘することが通例とはいえ、新型コロナウィルスで日本人歌手たちがソリストとなり、見事な歌唱を披露している。日本人歌手たちの成長ぶりにも注目したい。

 鈴木雅明がメンデルスゾーンの音楽をしっかり自らのものとして旧約聖書、列王記、イスラエル王アハブ、バアル神を信仰する王妃イゼベルに対峙する神の預言者エリアスの物語を迫真の音楽として描きだした。アハブはイゼベルと共謀して農夫、ナボトのぶどう畑を横取りした挙句、アラムとの戦争で戦死、イゼベルは孫ヨラムと共にイスラエル王となった将軍、イエフに滅ぼされてしまう。ユダ王ヨシャファトはアハブとの縁組でユダ王国に混乱をもたらした。

 2月はサントリーホール、ヨハネ受難曲となる。楽しみである。