小林五月 シューマンツィクルス 11

 伊藤恵と共にシューマン演奏では双璧をなす小林五月、シューマンツィクルス 11は3月開催が新型コロナウィルスの影響で11月となった。(17日 HAKUJU HALL)

 まず、小林の編曲によるペダルフリューゲルのためのスケッチ、Op.58、3つの幻想小曲集、Op.111で始まる。ペダルフリューゲルのためのスケッチはロマン主義でありながら、シューマンのバッハ受容による作品であることを再認識した。3つの幻想小曲集は、ブラームスを思わせる第1曲から始まる。小林は、この曲を激しい流れより、ジーグ風のリズムで演奏した。そこには、クライスレリアーナの残影があった。全体にゆったり目のテンポで、じっくり演奏された。

 ヴァイオリンの藤原浜雄、チェロの毛利伯郎が加わった幻想小曲集、Op.88はシューマンのロマン性を見事に表出していた。ヴィオラの磯村和秀が加わったピアノ4重奏曲、Op.47が当夜の白眉だった。シューマンの音楽が会場に響きわたり、ロマン主義の世界が広がった。第3楽章がアンコールされた。

 次はどのようなプログラムになるか。楽しみてある。