サントリーホール サマーフェスティバル 一柳慧がひらく2020東京アヴァンギャルド宣言 オーケストラスペース 2

 サントリーホール サマーフェスティバル最終日、一柳慧がひらく2020東京アヴァンギャルド宣言、オーケストラスペース 2は川島基晴「オーケストラのためのスペース」、杉山洋一「自画像」、一柳慧、交響曲第11番「ピュシス」であった。

 川島作品は2つの楽章からなり、第1楽章は点描技法などを取ったもの。第2楽章は偶然性によるもので、指揮者が様々な身振りなどでオーケストラを指揮する。最後にはオーケストラ楽員が退場する。これは、ハイドン、交響曲第45番「告別」を基にしたともいえよう。川島による自作自演だった。

 杉山作品は杉山が生まれた1969年からシュトックハウゼンの「賛歌」までの戦争・紛争地域の国家・州歌を織り込んだもの。ベトナム戦争、中東戦争などが織り込まれ、カバリーニェス「皇帝の戦争」で始まり、イタリア軍の弔礼ラッパで終わる。

 一柳作品は人間の不条理さを描いたもの。人間とは何たる存在か。それを問いかけるべく、今日の世界を問いかけている。杉山・一柳作品は鈴木優人が指揮した。この2つの作品でも、鈴木優人の素晴らしい音楽性が光る。

 鈴木優人について、「鈴木雅明の令息」と見る向きがあった。2017年、モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」で音楽家としての名を確立、一人の音楽家となった姿には、今後の活躍ぶりを期待する。