ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ベート―ヴェン 交響曲第4番 Op.60

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラーのベートーヴェン、交響曲も第4番となった。シューマンが「可憐なギリシアの乙女」と評している。第3番「英雄」、第5番との間にはさまれた作品とはいえ、古典性・ロマン性が見事に融合した名作である。

 第1楽章のほの暗い序奏から、光に満ちた主部に入る。フルトヴェングラーは重々しさの中にもしっかりとした足取りで進めて行く。全体に遅めのテンポとはいえ、じっくりと音楽を作り上げている。歌も十分。展開部から再現部への移行が素晴らしい。盛り上がりが重厚である。コーダも堂々としている。第2楽章も遅めのテンポながら、じっくりと歌い上げて行く。ベートーヴェンのロマン性が満ち溢れた楽章で、愛の歌だろうか。第3楽章のスケルツォはロンド風、この形式がシューマンに受け継がれていく。ロマン、歌が一体化している。第4楽章は遅めとはいえ、歌を大切にしている。無窮動風とはいえ、歌に溢れた楽章。推進力も見事。フルトヴェングラーは古典性・ロマン性の融合を見事に成し遂げている。

 フルトヴェングラー、カラヤンはヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団を理想としていたという。カラヤンの方がほっそりしているとはいえ、どちらも同じだったというエーベルハルト・フィンケの指摘は一考すべきだろう。カラヤンがヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンの交響曲全集を作ろうとしたことも一理あるだろう。