ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ベートーヴェン 交響曲第2番 Op.36

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラーのベートーヴェン、交響曲第2番。一頃、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるものがあったとされた。しかし、これがエーリッヒ・クライバーのものだとわかり、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのものが見つかった。1948年、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音である。

 ライヴということもあってか、緊張感に満ちた演奏となっている。1802年、ベートーヴェンはハイリゲンシュタットの遺書を残したものの、音楽家としての創作意欲を取戻し、中期への橋渡しとなる作品を残していく。第1楽章は力強い序奏から、精力的な主部、推進力、主題展開も充実している。一気に押し流していく。第2楽章の歌に溢れた演奏。深々とした呼吸から、たっぷりした歌が流れて行く。第3楽章は完全なスケルツォ。堂々たる主部から、ベートーヴェン自身の姿が浮んで来る。トリオには、後の第9番を思わせる旋律が出て来る。それでも、伸びやかさに満ちている。第4楽章はスケールの大きな演奏。推進力・歌心も十分。自由さの中に、緻密な書法も見られ、全体を引き締めている。これが第3番「エロイカ」以降のベートーヴェンに繋がっていく。

 録音からしても、聴きづらさがあるとはいえ、致し方ないだろう。フルトヴェングラーのベートーヴェン演奏では、この第2番の録音は少ないようである。しかし、どこかに残っているかもしれない。フルトヴェングラーの録音がどしどし掘り出されている今、話題が増えつつある。他にも第2番の演奏が残っていたら、これも大変な話題になるだろう。