北とぴあ国際音楽祭 エマ・カークビー ソプラノリサイタル

 北とぴあ国際音楽祭の注目公演の一つ、古楽声楽のパイオニア、エマ・カークビーのリサイタルは前半がイギリス・ルネッサンス期のトーマス・キャンピオン、ジョン・ダウランド、ジョン・ダニエルのリュート歌曲の名作、後半がバロック期のウィリアム・ヘイズ、ヘンリー・パーセル、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ、ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル(ジョン・フレデリック・ヘンデル)の名作を並べた素晴らしいプログラム、聴き応え十分であった。(7日 北とぴあ さくらホール)

 つのだたかしのリュート、寺神戸亮、迫間野百合、阿部まりこ、渡部安見子、懸田貴司、櫻井茂、藤田麻理恵、水谷陽子、上尾直樹といった優れたバロック奏者たちがカークビーのソロを支えつつも、素晴らしい演奏を聴かせたことは特筆に値する。

 キャンピオン、ダウランド、ダニエルからはイギリス、エリザベス1世の宮廷の香りか伝わってきた。パーセルではイギリスの香り豊かな英語の響きが見事。バッハ、ロ短調ミサからの「我汝を讃え」、ヘンデル「我知れり」での信仰、「アルチェステ」からの「やさしきモルペウス」も素晴らしい。アンコールでのバッハ、結婚カンタータ「悲しみの影よ、去れ」もまた味わい深かった。

 声の衰えがあるとはいえ、音楽の核心をついていた。ことに、前半のリュート歌曲の深い味わいに繋がった。11月29日、12月1日、ヘンデル「リナルド」が楽しみである。