アンジェラ・ヒューイット バッハ・オデッセイ 10

 アンジェラ・ヒューイットのバッハ・オデッセイ、第10回はイギリス組曲、第4番、BWV809、第5番、BWV810、第6番、BWV811、ソナタ、BWV963であった。(5日 紀尾井ホール)

 第4番の力強さ、第5番の暗さ、第6番の激しさ・深遠さ。第6番が傑出していた。この作品でヴィルヘルム・バックハウスの名演を知る一人としても、それに匹敵する名演だった。組曲の一つ一つの性格表現も見事だった。

 ソナタは若きバッハが、後にライプツィッヒ、聖トーマス教会カントールに着任する前、その職にあったヨハン・クーナウの「聖書ソナタ」の影響を受け、一つの試みとして作曲したものとしても興味深い。それなりに聞き応え十分であった。

 アンコールはフランソワ・クープラン「恋の鶯」で、豊かな歌心が余韻を残した。いよいよ、2020年5月、このシリーズも完結する。楽しみになってきた。