ペーター・レーゼル ブラームス 3つの間奏曲 Op.117 6つの小品 Op.118 4つの小品 Op.119

 ゲルハルト・オピッツと共にドイツを代表する大御所となったペーター・レーゼルのブラームス後期のピアノ作品、Op.117、Op.118、Op.119を聴く。

 Op.117では第1曲の深い歌、第2曲の悲しみ、第3曲の暗い情念と明るさの対比。そこにはブラームス晩年の悲しみが色濃く表れている。

 Op.118。第1曲「インテルメッツォ」にはブラームスの激しい情念が滲み出ている。第2曲「インテルメッツォ」は過ぎし日の回想にふけるブラームス。中間部の悲しみ。その対比が素晴らしく、多くの人々の心を打つ。第3曲「バラード」は激しい訴えかけ、中間部のしっとりした歌に激しい主部が現れる。第4曲「インテルメッツォ」はこれも激しい情念の主部、静かな中間部との対比が素晴らしい。第5曲「ロマンス」も深い歌が聴こえる。中間部は田園舞曲を思わせる。回想色が深い。第6曲「インテルメッツォ」はブラームスの諦念が見事である。

 Op.119。第1曲「インテルメッツォ」はクラーラ・シューマンが「灰色の真珠」と呼んだほど、悲しみの光を放っている。第2曲「インテルメッツォ」は激しさ、ヴィンナ・ワルツを思わせる中間部の抒情性との対比が素晴らしい。第3曲「インテルメッツォ」はブラームスの苦いユーモアか。第4曲「ラプソディ」は英雄的でありながら、どこか暗さも漂う。コーダは勇壮ながらも、ブラームスの悲しみを露わにしている。

 レーゼルのブラームス全集もオピッツのものと共に必聴盤である。21世紀ドイツ・ビアノ界の大御所が残した定番だろう。2020年、ベートーヴェン生誕250年。レーゼルが5月、オピッツが11月に来日。楽しみである。