伊藤恵 ピアノリサイタル 春を運ぶコンサート ふたたび

 シューマン、シューベルトを中心としたリサイタルシリーズを行って来た伊藤恵が、ベートーヴェンを中心としたリサイタルシリーズ、第2回はベートーヴェン、ソナタ第30番、Op.109、ソナタ第32番、Op.111を中心にブラームス、3つの間奏曲、Op.117、シューマン「森の情景」Op.82より第7曲「予言の鳥」、細川俊夫、エチュードⅥ ピアノのための―歌、リートを取り上げた。(29日 紀尾井ホール)

 ブラームスではたっぷりした歌の中に、晩年の諦念の姿を垣間見る思いだった。シューマンの後に細川作品を置いたプログラミングは絶妙であった。「予言の鳥」はペダルの巧妙な効果の中に20世紀音楽を暗示することを踏まえ、その後に細川作品を置いたことは音楽面での繋がりを重視した配分だった。

 ベート―ヴェン、第30番では自由さの中に晩年の境地が感じられた。第3楽章でのたっぷりした歌心から、素晴らしい変奏曲が展開、主題の回想では深みある音楽を生み出した。第32番はソナタ全体の締めくくりと言うべき作品、円熟した味わいに満ちていた。第2楽章のたっぷりした歌からベートーヴェンが到達した境地を描きだしていた。

 次回も楽しみである。

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    滝川 岬一 (水曜日, 01 5月 2019 22:22)

    プログラムを拝見、聴きたかったです。べ-ト-ヴエンの最後期の30番&32番。ブラ-ムス。3つの間奏曲OP117。シュ-マン(森の情景OP82]から7曲目予言の鳥。細川俊夫エチュ―ドⅥと。とても内容の濃密なプログラムが魅力的です。次に同じような企画が有りましたらご案内していただけば。都内。神奈川地区でしたら都合が付けば必ず参ります。よろしく。