歌舞伎座4月公演 昼の部

 歌舞伎座4月公演、昼の部は改元、坂田藤十郎米寿記念の演目、「新版歌祭文」、「鈴ヶ森」の4本で祝賀的な面を強く打ち出していた。

 改元に伴う「平成代名残絵巻」は平氏の栄華の頂点となった平徳子入内の祝い、源氏再興への道筋を絡ませたもので、市川男女蔵、市川笑三郎、中村吉之丞、市川笑也、坂東巳之助、中村壱太郎が艶やかな踊りを見せた。中村児太郎、中村福助が源氏再興に懸ける常盤御前、義経親子を見事に演じた。片岡市蔵、河原崎権十郎、坂東弥十郎、市村竹松、市川男寅がしっかり支えた。源平合戦を予見したもので、見所十分だった。

 「新版歌祭文」は難波の座摩神社の場、野崎村との上演で、野崎村の悲劇をかえって際立たせたものになり、意義深い上演だった。中村又五郎が丁稚、久松を陥れる悪手代を見事に演じた。それが野崎村の悲劇を深く印象づけた。中村時蔵演ずる、純真な村娘お光、中村雀右衛門演ずる、艶やかな町娘お光とのコントラストが強くにじみ出て、ドラマを盛り上げた。中村錦之助の久松も光る。

 「寿栄藤末広」は坂田藤十郎米寿(88歳)記念で、祝祭的、かつ華やかさが際立った。「鈴ヶ森」は尾上菊五郎、中村吉右衛門の名人芸を堪能できた。

 演目のバランスとしては、いささか長かった。3時50分終演では入れ替えが窮屈になる。せめて、3時30分終演の方がかえって落ち着くだろう。