歌舞伎座3月公演 昼の部

 歌舞伎座3月公演は珍しい演目が並び、見所満載の内容。「女鳴神」「傀儡師」「傾城反魂香」であった。

 「女鳴神」は歌舞伎十八番「鳴神」を女に置き換え、戦国時代、織田信長に滅ぼされた松永弾正久秀の娘が打倒信長に燃え、国中の竜神・雷神を封じ込め、人々が干ばつに苦しんでいる。そこへ雲野絶間之助がやってくる。それはかつての許婚であった。しかし、信長の家臣となり、注連縄を切り、干ばつから救い出す。片岡孝太郎、中村鴈次郎が見事に演じ、見ごたえ十分であった。

 「傀儡師」は多くの踊りを見せる大道芸人で、松本幸四郎のユーモラス溢れる踊りが光った。

 「傾城反魂香」は近江の大名六角氏の御家騒動をもとにした「高嶋館」「館外竹藪」「将監閑居」からなる。歌舞伎座でこの3つの場全体の上演は初めてとはいえ、松本幸四郎、中村米吉、市川笑三郎、市川猿弥、中村鴈次郎、片岡孝太郎をはじめ、要となった片岡松之助、坂東弥十郎、松本白鷗と市川猿之助が素晴らしい舞台を見せた。最後の場面での又平の自画像の場面、長い沈黙の後、素晴らしい画業を賞賛され、土佐光起の名を受けるまでが見せ場であった。松本白鷗と市川猿之助がそれに応えた演技が光った。

 夜の部も見所満載、楽しみである。