歌舞伎座1月公演 夜の部

 2019年、歌舞伎座1月公演、夜の部。「絵本太功記 尼崎蟄居の場」「勢獅子」「松竹梅湯島掛額」の3本を取り上げた。

 「絵本太功記」は明智光秀が織田信長を倒した本能寺の変を基にしたもので、中国大返しで京都へ引き返してきた羽柴(豊臣)秀吉と対峙することになる。嫡男十次郎には許婚初菊がいる。夫婦の杯を交わして初陣に向かう姿、旅の僧に姿を変えた秀吉。竹槍で母を殺すこととなった光秀。その悲劇を中村吉右衛門、松本幸四郎、中村東蔵、中村雀右衛門、中村米吉が見事に演じた。姿を変えた秀吉、加藤清正が現れる場面では中村歌六、中村又五郎が華を添えた。

 「勢獅子」は新春に相応しい。手締めも入り、和やかな舞台だった。「松竹梅湯島掛額」は八百屋お七の史実に基づく。お七と吉三郎の恋心を軸に横恋慕する源範頼、武兵衛、お七の友人たち、紅屋長兵衛たちが入り乱れてはお七を守り、吉三郎が探していた短刀を探し出したお七が届けにいく。中村七之助、中村梅花をはじめ市川猿之助、松本幸四郎などが見事に演じた。お七が火の見やぐらの太鼓を打つまでの場面は見所十分だった。

 13代目団十郎誕生など、話題豊富な歌舞伎界。期待しよう。