ヴォルフガング・サヴァリッシュ シューマン 交響曲第2番 Op.61

 ヴォルフガング・サヴァリッシュがドレースデン・シュターツカペレを指揮したシューマン、交響曲第2番。これはサヴァリッシュの貴重な遺産の一つである。

 第1楽章の序奏をじっくり聴かせ、主部へと入っていく。そこには、病と闘うシューマンがいる。主部は病との闘いを描く。早めのきびきびしたテンポで進む。展開部は病を克服すべく闘いのエネルギーが爆発する。再現部に至ると、病を克服したシューマンの喜び、コーダはその爆発として響き渡る。序奏の響きが聴こえ、力強く締めくくるあたり、サヴァリッシュの腕の見せ所がある。

 第2楽章。スケルツォも見事なまとまりを見せ、一気に聴かせる。ロンド形式を取り、第1トリオでの木管と弦の対話が見事。第2トリオでは第4楽章の旋律が聴こえてくる。ここも木管、弦との対話となっている。大変な聴きものとなっている。序奏のファンファーレが聴こえ、一気に締めくくる。

 第3楽章のシューマンならではの素晴らしい歌心。サヴァリッシュはドレースデン・シュターツカペレの音色を活かしつつ、じっくりと歌い上げている。ピアニストとしてフィッシャー=ディスカウと共演、素晴らしいドイツ・リートの世界を伝えただけあって、シューマンの音楽を知り尽くしている。

 第4楽章。病癒えたシューマンの喜びを爆発させていく。そこには、第3楽章の旋律が加わった後、再び喜びの叫びとなる。サヴァリッシュが見事にまとめ上げている。その後、第3楽章の旋律がもの悲しく、かつ情熱的に加わり、小休止となる。そこから、感謝と祈りの旋律となる。ベートーヴェン「遥かな恋人に」Op.98からのもので、シューマンの主要作品に現れて来る。それが発展して、感謝・勝利のコーダとなって全曲を締めくくる。サヴァリッシュは、病癒えたシューマンの喜びの凱歌を歌い上げ、締めくくる。

 クリスティアン・ティーレマンのシューマン・ツィクルスを聴きながら、サヴァリッシュの名演を聴くと、素晴らしい遺産の一つに数えられる名演であることを改めて感じた。ティーレマンのものはいつ出るか。大いに期待したい。