北とぴあ国際音楽祭 2018 モンテヴェルディ「ウリッセの帰郷」


 古楽と現代音楽中心の北とぴあ国際音楽祭。2018年はクラウディオ・モンテヴェルディ「ウリッセの帰郷」を取り上げた。

 モンデヴェルディのオペラは現存するものが「オルフェオ」「ウリッセの帰郷」「ポッペアの戴冠」の3作のみで、「オルフェオ」「ポッペアの戴冠」上演機会に恵まれているものの、「ウリッセの帰郷」は恵まれているとは言えず、作品の真価が問われているとは言い難い。これは控えめな楽器編成に一因があるだろう。

 寺神戸亮率いるレ・ボレアード、エミリアーノ・ゴンザレス=トロのウリッセ、湯川亜也子のペネーロペ、ケヴィン・スケルトンのテレーマコ、クリスティーナ・ファネッリのミネルヴァ/運命、フルヴィオ・ペッティーニのイーロ、櫻田亮のエウメーネ、マチルド・エティエンヌのメラント、眞弓創一のエウリーマコ、波多野睦美のエリクレーア、渡辺祐介のネットゥーノ/時、谷口洋介のジョ―ヴェ、安倍早紀子のジュノーネ、中嶋俊春のピザンドロ、福島康晴のアンティーノモ、小笠原美敏のアンティーノオ、上杉清仁の人間のもろさ、広瀬奈緒の愛といった優れた歌手陣を迎え、素晴らしい上演となった。

 湯川の強靭な役作り、ゴンザレス=トロ、スケルトンの素晴らしさ、ファネッリが全体をしっかりまとめた。ペッティーニのコミカルな演技と歌唱、福島・小笠原・中嶋によるペネーロペへの求婚者たちの性格描写、谷口・阿部・渡辺が見せた神々の威厳。これらが一体となって、このオペラを盛り上げた。櫻田、波多野の役作りも忘れ難い。

 2019年はヘンデル「リナルド」を取り上げるという。「ポッペアの戴冠」も見たい演目の一つである。今後に期待しよう、