サントリー音楽財団 サマーフェスティバル 第28回 芥川作曲賞選考演奏会

 サントリー音楽財団、サマーフェスティバル、第28回、芥川作曲賞選考演奏会は2016年に受賞した渡辺裕紀子「朝もやジャンクション」、芥川賞候補となった3人の作曲家たちの作品を取り上げた。(26日 サントリーホール)

 まず、高橋作品は朝もやの風景を取り上げた作品で、2016年のエジプト訪問がもとになったという。なかなかの力作だったといえよう。

 候補となった3人の作曲家の作品、まず、1981年生まれの中堅作曲家で愛知県立芸術大学卒業後、パリ、エコール・ノルマル音楽院、パリ高等音楽院で学んだ坂田直樹「組み合わされた風景」は音響が描く風景を表現した作品。入野賞、武満徹作曲賞、尾高賞などの受賞歴がある。2番目、1971年生まれの中堅作曲家で同志社大学法学部卒業後、パリ、エコール・ノルマル音楽院、リヨン音楽院で学んだ岸野未利加「シェーズ・オブ・ウォーカー」は自然の威力を表現した作品で、聴き応え十分だった。3番目、1992年生まれの若手作曲家で東京芸術大学大学院修了、日本音楽コンクールでの受賞歴がある久保哲朗「ピポ-ッ-チュ」は、バロック音楽のコンツェルト・グロッソの原理を生かした個性的な作品。ヴァイオリン、バス・クラリネット、テューバ、ピアノとオーケストラのための作品で、面白さも抜群だった。

 芥川作曲賞は坂田が受賞となった。今回はフランスに留学した作曲家が受賞したことはそれなりの意義がある。多くがドイツ留学だった。フランス留学の作曲家が受賞したことはその一石を投じたといえようか。