パーヴォ・ベルグルント ニールセン 交響曲第6番「素朴な交響曲」

 ベルグルントによるニールセン、交響曲第6番「素朴な交響曲」は作品番号がない。1925年、60歳の作品。ニールセンは1920年代から心臓病の症状が現れるようになり、体調を崩すようになっていく。

 第1楽章のシンプルな旋律から、無駄のない構成観・様式感が現れて来る。しかし、どこかアイロニカルな雰囲気が漂い、老いの境地が滲み出ている。やがて、音楽は暗転。静かな終結となる。第2楽章、フモレスケ。ここにもアイロニカルな雰囲気、自由な境地が滲み出ている。12音全体を用いている。第3楽章、プロポスタ・セリア。ニールセンの遺言状だろうか。歌心に溢れていても、いずれ自らに死が訪れることを悟っている。第4楽章、変奏曲。ニールセンの交響曲の総決算であり、この時期にアルバン・ベルク「ヴォツェック」と同時に作曲されたことを思うと、ニールセンは12音音楽に対するアンチテーゼとして変奏曲にまとめ、20世紀音楽の未来を予言していただろうかと思わせる。

 ベルグルントはニールセンに取り組む中で、なぜ、シベリウスの創作活動が止まったかを見つめただろう。その意味で、ニールセンは66歳でこの世を去ったことを考えつつ、シベリウスを見つめた直しただろう。それがこの交響曲の演奏に反映している。