菅野雅紀 ピアノリサイタル メンデルスゾーン・シューマン全曲シリーズ 第4回

 菅野雅紀のメンデルスゾーン・シューマン全曲シリーズ、第4回はメンデルスゾーンがソナタ第1番、Op.6、無言歌集第2巻、Op.30、シューマンがソナタ第2番、Op.22、4つの小品、Op.32を取り上げた。(8日 ルーテル市ヶ谷センター)

 今回は楽譜を見ながらとはいえ、メンデルスゾーン、シューマンの知られざる作品の真価を問うには十分であった。また、よく知られている作品もそれなりの説得力ある内容であった。

 シューマン、4つの小品はOp.1から続くシューマンのピアノ作品の創作活動では最後の作品で、1840年9月12日、クラーラとの結婚が実現すると交響曲、室内楽曲、オラトリオへと創作活動を広げていく。1844年、ドレースデンへ移住するまでピアノ作品の創作は中絶することとなる。バロック時代の組曲とロマン主義のキャラクター・ピースとの結合と言うべき作品で、聴き応え十分であった。メンデルスゾーン、ソナタ第1番はベートーヴェン、ヴェーバーの影響を見事に消化した、個性豊かな作品で、もっと演奏会で取り上げるべきである。この作品の再評価に繋がる、見事な演奏であった。

 無言歌集第2巻での豊かな歌心に満ちた演奏は心和む一時であった。シューマン、ソナタ第2番はロマン性、歌心に満ちた演奏であった。フィナーレは現行版による。ゲルハルト・オピッツが取り上げた、初稿のプレスト・パッショナートによる演奏も聴かれるようになっている。初稿版による演奏も聴きたい。

 アンコールは無言歌集第1巻、Op.19から第6曲「ヴェネツィアのゴンドラの歌」、クラーラ・シューマン、音楽の夜会、Op.6から「ノットゥルノ」で締めくくった。次回のリサイタルは東京文化会館小ホール、メンデルスゾーンは幻想曲「スコットランド・ソナタ」、Op.28、シューマンでは幻想曲、Op.17を取り上げるという。楽しみである。