調布国際音楽祭 モーツァルト「バスティアンとパステイエンヌ」「劇場支配人」

 6月24日から1週間にわたった調布国際音楽祭、フィナーレは鈴木優人、バッハ・コレギウム・ジャパンによるモーツァルト「バスティアンとバスティエンヌ」「劇場支配人」で締めくくりとなった。

 昨年、モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」で音楽家としての名を確立した鈴木優人がモーツァルト少年期の名作「バスティアンとバスティエンヌ」、円熟期の往作「劇場支配人」に挑み、素晴らしい成果を収めた。

 「バスティアンとバスティエンヌ」は櫻田亮、ジョアン・ラン、加来徹が素晴らしい舞台を繰り広げた。加来のコミカルな中に恋人たちを元のさやに収めようとする節回し、歌唱が見事であった。ランはセリフ回しには苦労したものの、素晴らしい歌唱を聴かせた。それにもまして、櫻田の歌唱も全体を盛り上げた。ただ、楽譜を見ながらの歌唱、演技はいただけない。

 「劇場支配人」は鈴木優人、寺神戸亮も加わってドラマを盛り上げた。中江早希、森谷真理の自己顕示欲の強いプリマドンナに、2人をたしなめる歌手を櫻田亮が見事に演じた。そこに加来徹が全体の引き締め役として登場、全体を見事に締めくくった。

 今回の上演が、鈴木優人が本格的なオペラに挑戦するための飛躍の場となっていくだろう。二期会、藤原歌劇団、新国立劇場のオペラ公演に登場する日が来ることを切望する。