ヴィルヘルム・バックハウス バッハ フランス組曲 第5番 BWV816

 20世紀ドイツ最高の名匠、ヴィルヘルム・バックハウス(1884-1969)のバッハ演奏はフランス組曲、第5番の他にイギリス組曲、第6番、平均律クラヴィーア曲集、第1巻の第15番、第2巻の第15番、ライヴでの平均律クラヴィーア曲集第2巻の第24番くらいしか残っていない。ちなみに、1954年、ただ一度来日した際、イタリア協奏曲も演奏したという。

 それでも、この第5番ではアルマンドから歌に満ちたバッハの演奏が繰り広げられていく。クーラントの闊達さ、サラバンド、ルールの深みに満ちた味わい、ガヴォット、ブーレでは快活さと歌心が調和している。ジーグても闊達さ、歌心を調和させて一気に締めくくっていく。

 グールドの演奏を聴いた後にバックハウスの演奏を聴いてほしい。この1曲だけでも、ドイツ最高の名匠が遺した素晴らしいバッハ演奏の魅力に触れてほしい。