フジタ(藤田嗣治)のバレエ、舞台美術復活上演

 日本、フランスを代表する画家、藤田嗣治(レオナルド・フジタ、1886-1968)の手によるチャイコフスキー「白鳥の湖」、Op.20の舞台装置が72年ぶりに復活する。

 藤田嗣治。1913年、フランスに渡った後、エコール・ド・パリの画家として脚光を浴び、帰国。帰国後、壁画などを手掛けた。しかし、戦争画を描いたことで戦争責任を追及され、1949年、日本を離れる。1955年、フランス国籍を取り、レオナルド・フジタと改名、1968年、チューリッヒで世を去った。

 藤田が手掛けた舞台美術は設定を春とした。第1幕、第2幕、第4幕のみで、第3幕は資材不足で他の装置を転用したという。1946年8月から20日間にわたって上演、その後、上演はなかった。この時期、藤田は戦争責任を追及され、苦難の時代だった。そんな中で、誰もがわかりやすい構図で制作にあたったことは評価すべきだろう。

 また、藤田の舞台美術は少なくともパリ、ミラノ・スカラ座など9作に及ぶという。この分野での研究はまだ手付かずである。藤田が遺した舞台美術研究も今後の課題だろう。

 上演は指揮大野和史、東京交響楽団、東京シティ・バレエ団により、3月3日、4日、6日、東京文化会館となっている。ぜひ、ご覧いただきたい。