マティアス・キルシュネライト ピアノリサイタル

 マティアス・キルシュネライトは巨匠の域に入ったドイツのピアニストで、ロストック音楽大学教授、「ゲッァィテン音楽祭」監督を務めている。CDもベルリン・クラシックスなどから出ている。今回は東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団との共演者としての来日とはいえ、上野学園大学・島村楽器共催によるリサイタルが実現した。

 メンデルスゾーン、無言歌、Op.67-3「巡礼の歌」、シューマン、こどもの情景、Op.15での豊かな詩情溢れる演奏をはじめ、メンデルスゾーン、厳格なる変奏曲、Op.54、ショパン、スケルツォ第2番、Op.31、ブラームス、ソナタ第3番、Op.5でのスケールの大きさと詩情とのバランスの見事さ、どれをとっても聴き応えたっぷりであった。ことに、ブラームス、第2楽章の濃厚な歌は聴きものであった。

 アンコールはシューベルト、ハンガリーのメロディ、D.817、ラフマニノフ、前奏曲、Op.32-5、ドビュッシー、映像第2集から「運動」、ブラームス、ワルツ、Op.39-15で、素晴らしい締めくくりだった。

 楽器店がコンサートの企画、開催を進めることは、演奏家の育成・支援には重要である。外来演奏家の場合、来日してほしい演奏家を積極的に取り上げてほしい。おなじみの演奏家のみならず、「これは」という演奏家のコンサートもプロデュースして、音楽ファンの声に応えてほしい。