カール・リヒター ミュンヒェン・バッハ管弦楽団 バッハ 管弦楽組曲第1番 BWV1066 第2番 BWV1067

 バッハ演奏に一大記念碑を築いたカール・リヒターの貴重な遺産の一つ、管弦楽組曲第1番、BWV1066、第2番、BWV1067を聴く。タイトルは「序曲」となっている。とはいえ、序曲の後には舞曲が続く。

 第1番は荘重な響きのクーラント、きびきびしたガヴォット、悦ばし気なフォルラーヌに続き、いきいきとしたメヌエット、トリオは歌に満ち溢れている。ブーレも生気に満ち、トリオはハ短調となって暗くなる。パスピエは荘重さの中に締めくくりの役割を示す。トリオの歌も素晴らしい。歌と生気に満ちた音楽が繰り広げられていく。

 第2番はフルートにオーレル・ニコレを迎え、序曲の荘重さは聴きものである。全体にフランス趣味が溢れ、フルートが活躍、協奏曲風である。ニコレの歌心溢れるフルートが全体を引き締めていく。ロンドはガヴォットを融合したもので、生気に満ちている。サラバントでは深々としたフルートの歌が聴こえ、オーケストラと絶妙な調和を描く。ブーレの闊達さも素晴らしい。トリオでのフルートも味わい深い。有名なポロネーズではフルートの響き、歌が調和する。ドゥーブル(変奏)はフルートの聴かせどころででも歌が流れている。メヌエットはしっかりした足取りの中、じっくり歌い上げていく。最後のバティネリーも歌に満ち、この組曲を閉じていく。ニコレの名人芸と音楽性が息づいている。

 この組曲を聴くと、舞曲構成が自由になり、近代組曲、交響曲へと通ずる要素がある。単なるフランス趣味から、新しい時代の音楽への道を開いた面にも目を向けるべきだろう。