クリスティアン・ツィマーマン ショパン ピアノ協奏曲 第2番 Op.21

 ツィマーマンの弾き振りによるショパン、ピアノ協奏曲、第2番を聴く。ここでも、ツィマーマンはたっぷりとオーケストラを歌わせ、オーケストレーションにも手を入れている。この作品は1830年3月17日、ワルシャワでショパン自身のピアノで初演、コンサートも完売となったほどの盛況だった。

 第1楽章。オーケストラの雄弁さ、ピアノの素晴らしさ。それらが一体となって、ショパンの音楽の本質を伝える。全体には初恋の人、コンスタンティア・グラドコフスカへの思いに溢れている。他にはワルツ、Op.70-3にその思いが溢れている。しかし、その思いが伝わったとは言えない。

 第2楽章。コンスタンティアへの思いのたけを表現した演奏で、ピアノとオーケストラが一体となっている。言葉一つ交わせなかったとはいえ、ショパンの思いが満ち溢れている。ショパンは言葉を交わすには不器用だったかもしれない。

長きにわたる内縁関係にあった作家、ジョルジュ・サンドですら、ショパンは理解できない存在だっただろうか。

 第3楽章。ポーランドの民族舞曲、マズルカに基づくロンドで、ピアノの雄弁さが際立つ。ショパンは生涯、マズルカを書き続けた。死の直前にも2曲のマズルカを残している。パリへ移住してもポーランドと共にあったショパンの心の歌だった。華麗なロンドであっても、ポーランドの大地が香っている。オーケストラも雄弁である。

 ツィマーマンは、ポーランド人の心と言うべくショパンの協奏曲の本質を伝えるべく、自らオーケストラを設立して弾き振りでの演奏に挑んだ。それがかえって、ショパンの心、本質を伝えることに成功した。オーケストラを率いて来日して欲しかったとはいえ、どうだっただろうか。