ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ニューイヤーコンサート 2018

 新春恒例のヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューイヤーコンサートは、ヴィーンからの生中継という、NHKとしては大胆な試みを行った。狙いとしては成功した。その前には、ニューイヤーコンサートにちなんだ番組もあり、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団の魅力、ナチズムとの関係など、暗い歴史を取り上げた。(NHK Eテレ 18:00~18:55,

19:00~22:00)

 従来、NHKは東京のスタジオにゲストを招き、ゲストのトークを交えて番組を進めた。今回は、アナウンサー自らヴィーンに赴き、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽員、べベーデンボルク和樹、直樹兄弟、ヴィーン国立歌劇場バレエのダンサー、橋下清香と共にコンサートを聴く形を取った。

 指揮はイタリアの巨匠、リッカルド・ムーティ。イタリアゆかりの作品が中心で、没後150年となったジョアッキーノ・ロッシーニ、歌劇「ウィリアム・テル」序曲を加えたプログラムであった。イタリアとヴィーンが融合した素晴らしいひと時だった。放送につきもののバレエは、ワルツ「南国のバラ」、Op.338で、シュヴァルツアウ城が舞台となった。また、第1次世界大戦終結、ハプスブルク帝国終焉100年もあってか、オーストリアの歴史にちなんだ映像も目立った。

 NHKがコンサート直前に関連番組を放送したり、ヴィーンでの完全中継といった大胆な試みを行ったことを高く評価したい。2019年のニューイヤーコンサートには、ドレースデン・シュターツカペレ常任を務め、フランツ・ヴェルザー=メストと共にドイツ・オーストリアの実力者の一人、クリスティアン・ティーレマンが登場する。楽しみである。