マルティン・フレーミッヒ ドレースデン十字架合唱団 ドレースデン・フィルハーモニー バッハ クリスマス・オラトリオ BWV248

 マルティン・フレーミッヒ、ドレースデン十字架合唱団、ドレースデン・フィルハーモニーによるバッハ、クリスマス・オラトリオは第4部~第6部、新年に入っていく。イエス・キリストの割礼、東方の三博士がイエスを訪ねて来る。欧米のクリスマスは年末年始をはさんだものとなり、1月6日に三博士がイエスを訪ねるエピファニー(主顕節)でクリスマスが終わる。

 この世に生を受けたイエスを祝福しつつも、後の運命を予見するような面もある。第4部には受難を予見するソプラノのアリアが聴きものである。アリーン・オジェーの歌唱が素晴らしい。ペーター・シュライヤー、テオ・アダムが全体をまとめている。イエス生誕を歓びつつも、時のユダヤ王、ヘロデ大王は幼いイエスを亡き者にせんと悪巧みを巡らす。

第5部ではアンネリーズ・ブルマイスターが暖かみのある歌を聴かせる。また、ソプラノ、アルト、テノールによる3重唱ではカール・ズスケのヴァイオリンが彩を添えていく。ズスケはベルリン・シュターツカペレ、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサート・マスターを務め、弦楽四重奏曲も結成、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集がある。第6部はヘロデ大王の陰謀を打ち破る神の力を讃える。ルートヴィッヒ・ギュットラーのトランぺットが見事である。最後の合唱は「血潮滴る」を基にしながら、ヘロデの陰謀を打ち破った神の勝利を高らかに歌う。

 ドレースデン十字架合唱団の素晴らしい合唱からドイツの素朴なクリスマスが伝わって来る。オジェー、ブルマイスター、シュライヤー、アダムの歌唱の暖かさと相まって、大きな世界を作り出している。また、ズスケ、ギュットラーが彩を添え、味わい深いものにしている。一度は聴くべきだろう。