ペルゴレーシ オリンピーアデ

 2015年10月に日本初演となったペルゴレーシ「オリンピーアデ」の再演は、キャスティングは初演時のままであった。(紀尾井ホール)

 18世紀の宮廷オペラの一環として発展したオペラ・セリアは、ギリシア神話、古代の貴人を題材とし、ハッピーエンド、封建君主の美徳を中心に国家への尊敬、倫理、道徳心を教え込むことで絶対王政の威光を誇示するために一役買った。宮廷の祝典も担っていた。モーツァルトですら「アルバのアスカーニオ」、「シピオーネの夢」、「皇帝ティトゥスの慈悲」を作曲している。

 しかし、この種の宮廷オペラは啓蒙主義が広まるとオペラ・ブッファ、自国語によるオペラ作品に押され、市民革命と共に終わりを告げる。こうしたオペラ台本作者として名を馳せた存在が、ピエトロ・メタスタージオ(1698-1782)であり、1729年から50年あまりに渡り、オーストリア帝国宮廷詩人として君臨した。これに対して、音楽とドラマの一体化を図ったラニエージ・カルツァビージが出現、グルックのオペラ改革につながった。

 このオペラを原曲通り上演すると5,6時間ほどになるため、いくつかカットしている。また、今回は前回カットしたものを上演、ドラマとしても見ごたえ十分であった。

 アルカンドロを演じた弥勒忠史、アミンタを演じた望月哲也、クリステーネを演じた吉田浩之の手堅い演技、歌唱は素晴らしい。メガークレを演じた向野由美子、リーチダを演じた澤畑由美、アリステーアを演じた幸田浩子、アルジェーネを演じた林美智子が前回より深化した歌唱、演技を見せた。

 紀尾井ホールによる、この種の試みが続くことを切望したい。