三枝成彰 旭日小綬章 受章

 秋の叙勲、作曲家、三枝成彰が旭日小綬章を受賞した。小山実稚恵の紫綬褒章受章に次ぐ快挙である。日本を代表する作曲家の一人で、放送音楽での業績が大きい。純音楽でもいくつかのオペラ、協奏曲、交響曲、管弦楽曲などがある。

 また、いくつかの著作も残している。ことに、「大作曲家の履歴書」(上下2巻)は古今の大作曲家たちの生涯を概観しつつも、しっかりした史観がある。ベートーヴェンが音楽を「芸術」に格上げして、人間性を高めんものとしたことがかえって、音楽を大衆から遠ざけてしまったことを指摘、シェーンベルクの無調音楽が人間の本能を否定したことを音楽の悲劇だと言及する。これを踏まえ、メロディー、和声を取り戻すことが大切であると説く。

 この音楽史観こそ、作曲家だからこそ出せたと言えよう。作曲家こそ、作曲の本性を知っている。それでも、今の音楽のあり方は三枝の指摘通りだろうか。その意味で一読をお勧めしたい。

 小山実稚恵の紫綬褒章、三枝成彰の叙勲。2017年秋の日本の楽壇にとって、大変めでたいことである。