バッハ・コレギウム・ジャパン ルター500プロジェクト 5

 バッハ・コレギウム・ジャパン、ルターブロジェクトは宗教改革記念日となった10月31日を迎え、カンタータ「我らの神こそ、堅き砦」BWV80を中心に、「主なる神は太陽にして楯なり」BWV79、「いざ、すべての者よ、神に感謝せよ」BWV192を取り上げた。

 まず、「我らの神こそ、堅き砦」の原曲をルター、アグリゴラ、ヴァルター、シャイン、カルヴィジウス、プレトリウス、ハスラー、バッハの順に演奏、バッハへの道を辿りながら、ドイツ・プロテスタント音楽の歴史を鳥観できた。鈴木優人によるブクステフーデ、バッハのオルガン・コラールも素晴らしい聴きものだった。

 BWV79、BWV192からルター派プロテスタントの信仰告白が聴き取れた。その上でBWV80を聴くと、改めてルター派プロテスタント信仰の核心にたどり着く。鈴木雅明のプログラム構成の見事さに尽きる。

 1517年、ルターが当時のローマ・カトリックの腐敗を糺さんとした宗教改革がドイツ音楽に新たな光を与え、バッハに至る道が開かれた。また、国民教育・近代学校制度確立にも貢献した。ユダヤ人にも寛容であったものの、後のルターには反ユダヤ色が強くなる。これがナチズム、ホロコーストに至ったことも歴史の事実である。ともあれ、もう一度ルターの功罪を見直すことは大切である。