ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル

 ロシア生まれの鬼才、ヴァレリー・アファナシエフの来日リサイタル、浜離宮朝日ホール(10日)のプログラムはシューベルト、即興曲、D.899-1,3,4、アゼルバイジャンの作曲家、アレクサンドル・ラヴィノヴィチ「悲しみの音楽、時に悲劇的な」、ブラームス、4つのバラード、Op.10、2つのラプソディー、Op.79によるプログラムだった。

 シューベルトではD.899中、第2番を取り上げず、第1,3,4の3曲で構成したことには、ラヴィノヴィチの作品がD.899-4、トリオを基にした作品だったことを思うと頷けた。シューベルトの歌心と寂しさ、悲しさが伝わり、音色も素晴らしかった。

 ブラームス。バラード第1曲「エドワード」のドラマトゥルギー、第2曲の荒涼とした原野、第3曲のロマンティシズム、第4曲の悲しみ。全体が一つの物語として構成された統一性を示し、ブラームスがひとつの「ドラマ」として構成したことを改めて感じた。2つのラプソディー、Op.79。スケールの大きさ、歌心、情熱、諦念を見事に描き出していた。

 アンコールはブラームス、幻想曲集、Op.116から第5曲、第6曲。まさに、アファナシエフの世界だった。15日は紀尾井ホールでベートーヴェン、ショパンを取り上げる。こちらも楽しみである。