明治学院バッハ・アカデミー ベートーヴェン ミサ・ソレムニス Op.123

 日本を代表する音楽学者の一人、樋口隆一率いるバッハ・アカデミーがベートーヴェン晩年の傑作ミサ・ソレムニス、Op.123を取り上げた。2月3日のバッハ・コレギウム・ジャパン以来、2度目になる。(サントリーホール)

 このコンサートで樋口が使用した版は2010年出版、エルンスト・ヘルトリッヒ校訂によるカールス原典版。プログラムによると、2006年、明治学院大学招聘教授として来日した際、ご夫妻でバッハ・アカデミー合唱団に出演したという。このコンサートもヘルトリッヒとの友情から生まれた。

 全体をキリエ、グローリアの後に休憩20分、クレード、サンクトゥス、アニュス・デイにわけて演奏する形式を取った。ベートーヴェンとなれば、かなりのエネルギーを要するためか、上演形態としては一つの型だろう。バッハ・コレギウム・ジャパンは休憩を入れず、全曲を通した。一長一短だろう。

 オーケストラを見ると、バッハ・コレギウム・ジャパンからの参加もある。合唱団も明治学院関係者、首都圏のバッハ愛好家からなり、カール・リヒターが率いたミュンヒェン・バッハ管弦楽団、合唱団を思わせる。それで、樋口の指揮の下、素晴らしいまとまりを見せていた。

 ソリストではテノール、ジョン・エルヴィスをはじめ、鷲尾麻衣、寺谷千枝子、河野克典が素晴らしい歌唱ぶりを見せた。また、コンサート・マスター、桐山健史のヴァイオリン・ソロも絶品だった。

 2018年はバッハ、カンタータ、ブランデンブルク協奏曲第5番によるプログラムで、樋口自身、「新バッハ全集」での校訂に当たったもの取り上げるという。楽しみである。