ギロック生誕100年記念 トーク・コンサート

 アメリカの作曲家、ウィリアム・ギロック(1917-1993)生誕100年を記念して、ギロック作品のCDをリリースした熊本マリ、小原孝、三舩優子によるトーク・コンサートが銀座、山野楽器主催で行われた。(27日 銀座山野楽器 7階 イベント・スペース)

 ギロックは多くのピアノ教育用の作品を残した。日本では「日本ギロック協会」が設立され、ピアノ指導者たちが中心となって、ギロックの作品普及に努めた。しかし、ギロックの作品が子どものみならず、大人をはじめ、全ての人々に訴えかける暖かさが注目されるようになった今、音楽作品としてのギロックを広める動きが始まった。そこで、ギロック作品を多くレコーディングしている小原孝、ギロックの暖かさに触れた熊本マリ、アメリカ生活を体験、かつ留学していた三舩優子がギロックの作品によるCDをリリースしたため、このコンサートとなった。

 長井進之介の司会が素晴らしい。会場の雰囲気を盛り上げ、素晴らしいコンサート作りを心がけ、素晴らしい時間を過ごせた。三人三様の解釈、演奏が聴きもので、トークも見事だった。ただ、小原が楽譜の誤りについて、自身のCD解説で言及したことには注意が必要である。ギロックの作品は1996年以降、全音楽譜出版社から次々に出版され、急速に広まった。そのため、その頃から出回ったものは注意する必要がある。

 1969年、「抒情小曲集」の出版で初めてギロックの作品が日本に紹介されてから48年経った今、ギロックが音楽作品として広まろうとしている。今回の試みはその第1歩だろう。