アンジェラ・ヒューイット バッハ・オデッセイ 第4回

 アンジェラ・ヒューイット、バッハ・オデッセイ、第4回はパルティータ第3番、BWV827、第5番、BWV829、パルティ、BWV832、第6番、BWV830を取り上げた。

 ヒューイットのヒューマンで暖かいバッハは、バッハの音楽の本質をしっかり捉え、聴く人たちに深い感銘を与える。この点では、グレン・グールドとは根本的に異なる。第3番のファンタジー豊かな歌心、第5番の喜びに漲る歌、それらが内面からほとばしり出て、素晴らしい世界を作り出している。パルティでも素晴らしい歌心に満ちた演奏であった。第6番はバッハの内面と真摯に向き合い、じっくり、かつ壮大な音楽にまとめ上げ、じっくり歌い上げていた。

 パルティータ全曲を聴き、バロック組曲が古典主義のソナタ、キャラクターピースを集めた近代組曲へと変貌を遂げていく過程が見える。第3番ではブルレスケ、スケルツォを置いたり、第5番はテンポ・ディ・メヌエット、第6番はテンポ・ディ・ガヴォットとしてキャラクター・ピース化している。バッハは自由な発想により、バロック組曲から近代組曲へと変貌させていったと言えよう。

 アンコールは平均律クラヴィーア曲集第2巻から第9番のフーガ。このコンサートの締めくくりに相応しかった。