サントリー芸術財団 サマー・フェスティバル 細川俊夫監修 国際作曲家委嘱シリーズ ゲオルク・フリードリッヒ・ハース


 サントリー芸術財団、サマー・フェスティバルは会場を大ホールに移し、細川俊夫監修による国際作曲家委嘱シリーズ、第40回としてオーストリアの作曲家、ゲオルク・フリードリッヒ・ハースの作品を中心としたオーケストラ作品によるコンサートとなった。(7日 サントリーホール)

 1953年、グラーツ生まれのハースはグラーツ音楽院ではドリス・ヴォルフ、ゲスタ・ノイヴィルト、ヴィーン音楽大学大学院ではフリードリッヒ・ツェルハに師事、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会に参加、フランス国立音響研究所ではコンピューター音楽を学んだ。ドナウエッシンゲン、ヴィッテン現代音楽祭、ヴィーン・モデルン音楽祭などでの作品演奏、ノーノ、ブーレーズ、ハーバ、ヴィシネグラツキといった作曲家たちの研究など多岐にわたる活動を続けている。

 まず、ハースの師ツェルハ「夜」は、夜の神秘性を描いた作品。ロマン主義における夜は幻想、神秘、恐怖、憧れだろう。現代は神秘性の中に音の神秘を秘めている。そうした世界を描いた、注目すべき作品の一つだろう。ハースのヴァイオリン協奏曲、第2番はサントリーホール、シュツットガルト州立歌劇場、カーサ・ダ・ムジカの共同委嘱作品で今回が世界初演。ヴァイオリンはミランダ・クックソン、素晴らしい名手である。現代の技法、中世・ルネッサンス、バロックが見事に調和している。9つの部分からなり、最後の「アリア」にはバッハ、管弦楽組曲第3番の影が感じられた。

 後半は1991年生まれのアメリカの作曲家、現在コロンビア大学でハースの教えを受けているキャサリン・ボールチ「リーフ・ファブリック」が聴きものだった。植物の神秘を音楽で表現しようとした作品で、これも神秘性の強い音楽だった。最後は、ハースが2009年のメンデルスゾーン生誕200年記念として作曲した「夏の夜に於ける夢」で、メンデルスゾーンの音楽と現代の響きが見事に調和している。劇音楽「真夏の夜の夢」、「フィンガルの洞窟」、「静かな海と楽しい航海」からの引用が現代の響きにこだましている。

 イスラエルの指揮者、イラン・ヴォルコフ、東京交響楽団の見事な演奏も特筆すべきである。これらの作品が再演されることを願いたい。

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コメント: 2
  • #1

    山田浩貴 (土曜日, 09 9月 2017 17:33)

    コンサートで演奏されたとされるハースの「夏の夜に於ける夢」をYouTubeで聴いたのですが、メンデルスゾーンの引用が違和感なく作品に溶け込んでおり、消化・昇華されている印象を受けました。

  • #2

    畑山千恵子 (土曜日, 09 9月 2017 22:25)

    そうでしたか。それはよかった。