サントリー芸術財団 サマー・フェスティバル 第27回芥川作曲賞選考演奏会

 サントリー芸術財団、サマーフェスティバルは例年は8月下旬開催である。2017年はサントリーホール大改修のため、9月上旬となり、オープニングとして第27回芥川作曲賞選考演奏会となった。今回は茂木宏文「不思議な言葉でお話しましょ!」、中村ありす「ネイカース」、向井航「極彩色――Prinsessgade,1440」の3曲が候補となった。

 最初に2015年の受賞者、坂東祐大「花火 ピアノとオーケストラのための協奏曲」が演奏された。永野英樹のピアノが見事だった。

 茂木、中村は2016年度武満徹作曲賞を受賞したものとはいえ、聴いていて、作曲家としてのメッセージ性が薄いように感じた。向井はピアノとオーケストラのための作品で、こちらの方にはメッセージ性が感じられた。結果として、茂木が芥川作曲賞を受賞したことには不満がある。言葉の根源を問いかけた作品であると、茂木自ら述べたにせよ、どのような世界を描きたかったかがわからなかった。これは中村にも言える。真珠を構成する真珠層をヴィブラフォン中心のオーケストラで描いたといっても、何を伝えたかったかわからない。このような作品が作曲賞を受賞することもわからない。

 昨年の芥川作曲賞が心に訴えかける作品がなかったことが残念だっただけに、今年こそそれだけの作品に出会えると思った。期待外れだったような気がする。