大内孝夫 「音楽教室の経営」塾①「教えるのは誰のために?」 ②「たった2つのキーワード」

 武蔵野音楽大学で会計学/キャリアデザイン講師として、音楽大学での就職、音楽教室などの会計、経理などの指導に当たっている大内孝夫は、「『音大卒』は武器になる」、「『音大卒の戦い方」を出版、音楽大学生の就職活動、キャリア育成のあり方を説いた。

 これに続き、2巻にわたる音楽教室の経営について説いた「『音楽教室の経営』塾」全2巻を出版、これからの音楽教室の経営のあり方を実践的に説いている。

 第1巻では「なぜ、教えるのか」という問いに始まる。そこから、音楽教室が成長産業になり得ることを指摘、プロ意識を持つことの大切さを説く。経営にはイノベーション、マーケティングの必要性を説く一方、音楽大学の卒業生の人間性の弱点、経営面での弱点を指摘した上で、インターネット社会を踏まえ、ホームページ、Facebook,TwitterといったSNSの活用、音楽大学を卒業後、一般企業に就職した上で音楽教室を開業することを提言している。

 第2巻ではイノベーション、マーケティングを基本に、新しい分野への進出、音楽教室の可能性、教室の結束・連帯、音楽による社会形成への可能性を提言している。

 この2巻を読みながら、音楽家に社会性が乏しいという指摘をどう乗り越えていくべきかを考えた。音楽学を学んだとはいえ音楽学者、評論家、ライターで生活できる人材も少ない。ましてや、一般大学出身者が目立つ。その中には、ガセネタ本を出したり、マユツバものもいる。こんな「偽り」評論家、ライターを排除することも音楽教室の役割だということも改めて感じた。

 

(音楽之友社 全2巻 各1600円+税)