田部京子 ピアノ・リサイタル シューベルト・プラス 第2回

 ドイツ・オーストリア音楽中心にリサイタルを行い、現在桐朋学園大学院大学教授を務める田部京子がシューベルト・プラスによるリサイタル・シリーズ、第2回を行った。(14日 浜離宮朝日ホール)

 前半はベートーヴェン、ピアノ・ソナタ第31番、Op.110、シューベルト、4つの即興曲、D.899、後半はシューベルト、ピアノ・ソナタ第19番、D.958の全3曲。

 ベートーヴェンは第1楽章の素晴らしいカンタービレ、第2楽章の過酷のドラマトゥルギー、第3楽章の悲嘆に溢れたレチタティ―ヴォとアリオーソ・ドレンテの深さと歌、フーガとの見事な対比、構成観、美しい音色が絶品だった。シューベルト、4つの即興曲での性格付け、深みのある歌心に溢れた音色も聴きものだった。

 後半のシューベルト、ピアノ・ソナタは第1楽章のドラマと歌が見事に調和した大きな世界を描きだしていた。第2楽章の深い歌心、第3楽章の悲しみに満ちたメヌエットとトリオとの対比が素晴らしい。第4楽章のスケールの大きさ、歌が見事に調和して、シューベルトが到達した境地を見事に表現した。

 アンコールはベートーヴェン、6つのバガテル、Op.126の第3曲、シューベルト、即興曲、D.935-2。たっぷりした、美しい音色、歌心が締めくくりに相応しかった。

 真嶋雄大によるプログラム解説を見ると、ベートーヴェン、Op.110の献呈はアントーニア・ブレンターノの娘マクシミリアーネとなっている。これは無献呈でベルリンのシュレジンガー社から出版された。ロンドン版での献呈はアントーニア・ブレンターノである。Op.109はマクシミリアーネへの献呈となっている。Op.110、Op.111はアントーニアへの献呈としたかったものの、Op.111はルードルフ大公への献呈となったことによる。これは誤りである。こうした誤りがないよう、チェックしていただきたい。