岡本侑也 エリザベート王妃国際コンクール・チェロ部門で2位

 世界3大コンクールの一つ、ベルギーの首都ブリュッセルでのエリザベート王妃国際コンクール・チェロ部門で、ミュンヒェン在住の岡本侑也が2位に入賞した。チェロ部門は2017年開催から加わったとはいえ、日本人が2位入賞の快挙を果たしたことは大きい。

 音楽家の両親のもとに生まれ、幼いころからドイツで暮らしていた。音楽学校のイヴェントでチェロの楽しさを知り、6歳から始めたという。日本に戻ると東京芸術大学に入学して間もなく、ミュンヒェン音楽演劇大学に留学した。この大学はリヒャルト・ヴァーグナーがバイエルン国王、ルートヴィッヒ2世に設置を提言、ハンス・フォン・ビューローを学長に迎え、今日に至っている。

 幼いころからドイツで生活し、ドイツの音楽文化の豊かさを体験した岡本はもとより、フランス音楽の巨匠安川加寿子もフランスで生活、パリ音楽院を卒業後、日本の楽壇をリードしてきた。他にも海外生活を体験し、日本の楽壇をリードする音楽家たちも少なくない。まして、コンクール入賞も当然の時代になって来た。ただ、日本の楽壇では海外生活が長いほど、日本では忘れられた存在になりやすく、コンサートを開催するにも小さなホールでのコンサートになりがちである。こうした音楽家たちが日本でも活動しやすい環境を整えていくことは大切ではないか。インターネットが発達した今日、海外生活が長い音楽家たちの情報収集を徹底すべき時期にある。

 大きなホールが外来演奏家中心から、海外生活が長い音楽家たち、中堅音楽家・巨匠クラスの音楽家のコンサートを開けるようにしては如何だろうか。そうすれば、社会が音楽家たちを育てていく起爆剤になるだろう。いくら、コンクール入賞でも小さなホールでは気の毒だろう。

 最後に、岡本の今後の活躍ぶりに期待したい。