歌舞伎座5月公演 団菊祭 昼の部

 歌舞伎座5月公演は近代歌舞伎の名優、9代目市川団十郎、5代目尾上菊五郎を記念した「団菊祭」として、名優ゆかりの作品が並ぶ演目が中心となる。今年は7代目尾上梅幸23回忌、17代目市村羽佐衛門17回忌に当たるため、この2人の名優の追善、また羽佐衛門の長男、坂東彦三郎が坂東楽善、長男が坂東亀三郎、次男が坂東亀寿、彦三郎の長男が坂東亀三郎の襲名披露、7代目尾上菊五郎の孫、寺島眞秀の初舞台という、大変目出度い公演である。

 まず「梶原平三誉石切」は坂東楽善、彦三郎、亀寿襲名披露に相応しい舞台となった。市川団蔵、尾上右近、尾上松緑が華を添え、素晴らしい舞台となった。

 「義経千本桜」から「吉野川」は尾上菊之助、市川海老蔵が見事な舞台、踊りを見せた。「魚屋宗五郎」は尾上菊五郎ならでの素晴らしい演技が、武家奉公に上ったものの非業の死を遂げた妹の無念を晴らすまでの過程を克明に描いた。中村時蔵、市川団蔵、中村梅枝、市川左団次、尾上松緑が見事な演技で盛り立てた。ことに市川左団次の味のある存在感はドラマ全体を引き立てている。

 全体として、終演が3時20分で、演目のバランスも十分だった。ただ、「魚屋宗五郎」の第1幕、第2幕の間に10分の幕間があってもよかっただろう。そうした面も考えてほしい。