歌舞伎座3月公演 夜の部

 歌舞伎座3月公演、夜の部は「双蝶々曲輪日記」から「引窓」、「けいせい浜真砂」、「助六」の3本で、花形役者たちが一堂に会した素晴らしい舞台を繰り広げた。

 「引窓」は八幡の里、南与兵衛が郷代官、南方十字兵衛となり、放生会の準備に追われている。そこへ、養子に出し、相撲取りとなった濡髪長五郎がやって来る。恩人を救わんとして人殺しを犯し、お尋ね者となった。長五郎は覚悟を決め、十字兵衛の手で捕まえてもらい、罪を償おうとする。しかし、十字兵衛は金を渡し、長五郎を逃がす。松本幸四郎、坂東弥十郎、市川右之助、中村魁春が見事な舞台を見せた。

 「けいせい浜真砂」は、石川五右衛門の名台詞を踏まえ、明智光秀の娘、皐月姫が父を撃った豊臣秀吉に恨みを晴らさんとしている。坂田藤十郎、片岡仁左衛門が素晴らしい舞台を見せた。

 「助六」は市川宗家得意の荒事、江戸っ子の粋を描き、蘇我兄弟の仇討を絡ませている。伊達男、花川戸助六は曽我五郎で源氏の名刀、友切丸を探すため、吉原通いを続けている。廓、三浦屋の遊女、揚巻と恋仲で、髭の意休に姿を宿した伊賀平内佐衛門は恋敵である。喧嘩、吉原通いを続ける五郎をいさめんとした兄曽我十郎は白酒売に身をやつし、五郎を諫めんとするも、友切丸探しのためだと知り、探索に加わる。母満江は兄弟たちから、真相を知り、五郎に紙子を授け、十郎と共に去る。平内佐衛門は五郎を打ち据えるも、それが友切丸探しとは知らない。友切丸は意休が持っていたとわかると、五郎は待ち伏せすることとなる。市川海老蔵をはじめ、市川左団次、尾上菊五郎、中村雀右衛門、中村梅枝などが素晴らしい舞台を作り上げた。市川右団次が口上で歌舞伎座初登場となった。

 4月は東西花形たちが一堂に会する。どんな舞台が繰り広げられるか楽しみである。