伊藤恵 ピアノリサイタル

 1999年~2006年はシューマン、2008年~2015年はシューベルトを中心としたコンサートシリーズを行ってきた伊藤恵が24日、ヤマハホールで久々のリサイタルを行った。

 シューマン、幻想小曲集、Op.12、ベートーヴェン、ソナタ第30番、Op.109、シューベルト、ソナタ第20番、D.959によるプログラムで、シューマン、ベートーヴェンは1982年、日本ショパン協会で行ったデビューリサイタルでも取り上げている。その時はショパン、24の前奏曲、Op.28で締めくくった。今回はシューベルトとなり、ドイツ・オーストリア音楽の真髄を伝えるものとなった。

 シューマン、シューベルトは伊藤が得意とする作曲家で、どちらもロマン主義の本質が伝わった。ベートーヴェンは円熟した味わいに満ちていた。アンコールはシューマン=リスト「献呈」で、リストのピアニズムとシューマンのロマン主義が見事に融合していた。

 そろそろ、伊藤がベートーヴェン、ブラームスに取り組んでもよい時期が来ているようにも思える。ベートーヴェン、ブラームスを中心としたコンサートにも大いに期待したい。