藤井恵 ピアノリサイタル

 桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学からドイツ、ベルリン芸術大学、ニュルンベルク音楽大学に留学、菅谷駒子、渡辺光子、藤井晶子、徳丸聡子、高橋多佳子、下田幸二、ライナー・ベッカー、ヴォルフガング・マンツをはじめ、アンジェイ・ヤシンスキ、セルジュ・ペルティカローリ、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、クラウス・ヘルヴイッヒ、ベルント・ゲツケ、アンドラーシュ・シフにも学んだ藤井恵が、「ローベルト・シューマンとその仲間たち」というタイトルで、ローベルト、クラーラ・シューマン夫妻、ショパン、ブラームスの作品によるリサイタルを行った。

 まず、シューマン「こどもの情景」Op.15から「見知らぬ国と人々」を演奏、藤井自身のトークを交え、ブラームス、6つの小品、Op.118、ショパン、幻想ポロネーズ、Op.61、クラーラ・シューマン「3つのロマンス」Op.11、ローベルト・シューマン「謝肉祭」Op.9で締めくくった。

 ブラームスは第3曲「バラード」中間部で崩れたことが惜しまれるが、ブラームスの音楽の本質を捉えた演奏だった。ショパンは、サンドの関係がサンドの2人の子どもたちを原因に崩れていく中で次第に孤立するショパンの姿が浮き彫りになった演奏だった。シューマン夫妻の作品、クラーラの作品では、クラーラの揺れ動く思いが伝わった。ローベルトの名作の一つ「謝肉祭」は、この作品の根底となるASCH(当時恋人だったエルネスティーネ・フォン・フリッケンの故郷)の音形を捉え、大きな世界を描きだした。

 アンコールはショパン、エチュード、Op.25から第1曲「エオリアンハープ」、シューマン「こどもの情景」Op.15から「トロイメライ」でコンサートの締めくくりとした。

 藤井自身のトークについて、人前で語る以上、もっと上手な話法を心がけてほしい。人前で語るには話法が下手で、聞苦しさも覚えた。もっと上手な話法を身につけてほしい。