スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ 逝去

 ウクライナ、ルヴォフ出身の名指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキが2月21日、93歳で亡くなった。読売日本交響楽団では常任指揮者、桂冠名誉指揮者となり、来日が予定されていたものの中止となった矢先の訃報である。

 スクロヴァチェフスキが注目されるようになったのは1980年代からで、ブルックナー演奏で定評があった。アルテ・ノーヴァから出たドイツ、ザールブリュッケン放送交響楽団を指揮したブルックナーのCDが注目されるようになり、NHK交響楽団、読売日本交響楽団を指揮するに至った。遅咲きの指揮者であろう。

 昨年11月、今年2月に脳梗塞を起し、療養中だったという。93歳とはいえ、いささか残念な気がする。こうした演奏家の存在が今の楽壇を支えていることを思うと、20世紀に君臨した巨匠と言うカリスマへの郷愁がある。古今東西、カリスマ的な演奏家を求める音楽愛好家の心境は同じだろうか。