歌舞伎座1月公演 夜の部

 歌舞伎座1月公演、夜の部は2017年の始まりに相応しい内容で、演目のバランスがとれた上演で「井伊大老」、「越後獅子」、「傾城」、「松浦の太鼓」を取り上げた。

 「井伊大老」は幕末の大老、井伊直弼の生涯を描いたもので、井伊が水戸浪士たちに暗殺される桜田門外の変の前日までの上演であった。松本幸四郎は威厳に満ちながらも安政の大獄への悔い、亡くなった愛娘への思い、自らの運命を悟り、来世では大老はご免だという井伊の心境を見事に演じた。中村雀右衛門は正室としての品格、流れ星に不吉な影を読み取り、側室お静の方との確執を描きだした。坂東玉三郎は井伊の心境を察し、支える気丈さがにじみ出ていた。片岡愛之助、市川染五郎、中村歌六の演技も光った。

 「越後獅子」は5代目中村富十郎7回忌追善として上演、中村鷹之資が見事な踊ぶりを見せた。「傾城」は坂東玉三郎の独壇場であった。

 「松浦の太鼓」では市川左団次が傑出、名優ここにありという存在感が素晴らしい。片岡愛之助。市川染五郎、中村壱太郎が素晴らしい演技を見せた。これは「忠臣蔵」外伝で、浅野家の浪士たちが様々な形で本性を隠し、討ち入りに臨んでいたかがわかる。その意味でも意義があった。

 この1年、どんな舞台、話題が出て来るだろうか。