ラルス・フォークト クリスティアン、タニア・テツラフ    ブラームス ピアノ3重奏曲第3番 Op.101

 ラルス・フォークト、クリスティアン、タニア・テツラフ兄妹によるブラームス、ピアノ3重奏曲も第3番、Op.101となった。1886年、トゥーンで作曲。ハ短調という調性から、ブラームスはベートーヴェンを意識していただろうか。

 第1楽章。第1主題の力強いトゥッティが発展、じっくり歌いあげる第2主題へとすすみ、提示部が終了後、展開部も力強いトゥッティで始まる。ピアノと弦とのやり取りが続き、再現部。第1主題から第2主題、ここはハ長調となる。コーダではハ短調に戻り、力強く締めくくる。

 第2楽章。スケルツォの暗い雰囲気と抒情性、力強さが一体化している。ピアノと弦の関係も緊密である。無駄のない音楽作りがかえって深みを醸し出している。

 第3楽章。ブラームスならではの深い歌が聴こえる。ピアノと弦の対話も見事で、中間部の暗い部分と一対をなす。主部に戻り、深みのある歌が歌われ、力強く閉じていく。

 第4楽章。スケールの大きなフィナーレ。ロンド・ソナタ形式で、小刻みに始まり、力強く発展する主部。伸びやかな対句、主部に戻り、力強く展開する。不気味な対句に入り、情熱的に歌われる。ハ長調に転調、力強いコーダとなって全曲を締めくくる。

 全3曲を聴き終わると、ブラームスの音楽がしっかり伝わって来る名演の一つだといえよう。2014年5月、ブレーメンでのレコーディングで、音質も素晴らしい。ぜひ、一聴してほしい。