歌舞伎座12月公演 第1部 第2部

 歌舞伎座12月公演は3部制で、第1部「あらしのよるに」、第2部「吹雪峠」、「寺子屋」が上演された。「あらしのよるに」は新作歌舞伎の話題作で、きむらゆういちの童話をもとにした作品で、中村獅童が歌舞伎化を目指した作品で、親子連れが目立った。

 この話題作は中村獅童、尾上松也の力演、市川中車、中村梅枝、河原崎権十郎、市村萬次郎、市村橘太郎が素晴らしい演技を見せ、ドラマを盛り立てた。狼と山羊の友情を描き、現代における人とのつながりの尊さを伝える内容で、子どもから大人までが楽しめ、考えさせられる。こういう新作歌舞伎のあり方も歌舞伎の一つの道を示したものと言える。

 「吹雪峠」は助蔵、おえんの夫婦が身延山参りの帰途、吹雪に遭遇、山小屋に避難、そこへおえんのかつての夫直吉がやって来る。助蔵とおえんは駆け落ちして、まじめな生活を送るものの、助蔵は病に侵されている。助蔵、おえんは直吉に怯えるものの、直吉は二人の言葉を聞くうちに高笑いを残して去る。尾上松也、中村七之助、市川中車が見事な舞台を見せ、最後の高笑いが重々しく響いていた。

 「寺子屋」は尾上松也、中村梅枝、中村勘九郎・七之助兄弟が見事な芝居を見せた。坂東新悟、市川猿弥も好演、締めくくりに相応しい舞台となった。