マルタ・アルゲリッチ、旭日中綬章受章

 2016年秋の叙勲で現代最高のピアニスト、マルタ・アルゲリッチが旭日中綬章を受章した。1965年ショパン・コンクールで優勝、リサイタル、オーケストラとの共演をはじめ、数多くのレコーディングも行ってきた。最近は室内楽中心のコンサートをはじめ、大分県別府市で別府アルゲリッチ音楽祭を行い、若手演奏家の育成にも力を入れている。

 今回の受章はその功績あってのことだろう。旭日中綬章といえば、7月26日、72歳で亡くなった中村紘子にも送られたとはいえ、中村が生きているうちだったらどんなに喜んだだろうか。それを思うと、アルゲリッチが同じ勲章を受けるにしても一抹の虚しさを感じる。ちなみに、中村はその時のショパン・コンクールでは4位であった。それがアルゲリッチと共に贈られ、受け取っていたら喜びもひとしおだっただろう。残念である。

 ともあれ、アルゲリッチの叙勲を心からお祝いしたい。中村も天国で喜んでいるだろう。ただ、日本では国際的に活躍しているクラシックの音楽家への叙勲が少ないようにも思う。まして、文化勲章は山田耕筰、朝比奈隆、吉田秀和、小澤征爾しかいない。武満徹、安川加寿子、園田高広など文化勲章を贈るべき音楽家が少なくなかった。その上でも、クラシックの音楽家への叙勲、文化勲章授与をもっと考えてほしい。